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2012年9月19日 (水)

「にほんのマクドネル・ダグラスDC-10, MD-11」を公開

マクドネル・ダグラスDC-10は、ライバル機であるトライスターと同時期に、同じく北米大陸横断路線向けのワイドボディ3発機として開発された機体である。機体の大きさはトライスターとほぼ同じであるが、第2エンジンの装着に前例のあるS字ダクトを採用したトライスターに対して、DC-10は垂直尾翼を貫くように真直ぐのダクトを採用した事が大きな特色である。この真直ぐのダクトのおかげで、ロールスロイス製のエンジンしか搭載できなかったトライスターに対して、GE製、PW製のエンジンを選択する事ができた。

また、MD-11は、2人乗務のグラスコクピット、新型エンジン、ウイングレットなどの近代化と、胴体の延長を行った発展型である。

わが国では、当初、JALに導入された。
1976年から83年の8年間に、40型10機、40D型10機の合計20機が導入された。最初に導入されたのは、国内線向けの40D型で、これは短距離用に最大離陸重量を制限するかわりに、胴体中央の主脚を省いた型である。約半年遅れで国際線向けの長距離仕様である40型の導入も始まった。エンジンは、747との共通化を図って、PW製が選ばれた。その後、767-300型の国内線への導入が始まった1986年から88年まで、毎年1機ずつ合計3機が、40D型から40型に改修され、国内線と国際線の需給調整が行われ、40型13機、40D型7機の20機体制が1993年まで続いた。
40D型は国内亜幹線で、40型は747ではキャパシティの大きすぎる国際線に運行された。国内線の客室は、当初はオールエコノミーであったが(この時期の座席数は判然としない)、1986年からはスーパーシート(ビジネスクラス相当)が導入され、ビジネス18席、エコノミー300席の計318席で運用された。国際線は、ビジネス39席、エコノミー225(227)席の計264(266)席の長距離線仕様と、ビジネス12席、エコノミー272席の計284席の中距離線仕様の2通りがあった。後者は、リゾッチャ塗装であった。

国内線向けの40D型は、777-200/300型の国内線への導入が始まった1997年から退役が始まり、2003年に完了した。今回は、国際線用にはMD-11の導入が始まっており、40型に改修し国際線へ転用されることはなかった。40D型は、全機が最後までランドー塗装であった。

MD-11は、1993年から97年までの4年間に10機が導入された。すべて国際線向けであったが、ビジネス65席、エコノミー168席の計233席の長距離線仕様が5機と、ビジネス38席、エコノミー262席の計300席と、ビジネス66席、エコノミー198席の計264席の2通りの中距離線仕様が5機であった。エンジンはPW製で、全機に野鳥の名前をつけ「J Bird」の愛称で呼ばれた。
MD-11は、改設計を巡る操縦の難しさもあってか、経済性に優れる777-200/ER型の導入が始まると2002年から退役が始まり、DC-10より早い2004年に、最長機齢10年で退役が完了した。1機がアーク塗装に改められた他は、最後までランドー塗装であった。

DC-10の40型は、MD-11より遅く2003年から退役が始まり、2005年に完了した。MD-11と異なり、5機がアーク塗装に改められた。

退役後の行方は、DC-10-40D型は、その多くが貨物型に改修され活躍したが、現在は1機を除いて退役している。DC-10-40型は、退役時の機齢が高く、1機を除いて再び運用されることなく保管又は部品取りとなっている。1機は、オメガ航空で空中給油機に改修され運用中である。
MD-11は、10機すべてがUPSに引き取られ、貨物型に改修され運用中である。このまとまった売却先があったことが、DC-10を追い越して一気に退役させられた理由かもしれない。

もう1社、わが国でDC-10を導入したのが、JASである。
45/47体制の崩壊による1988年の本格的な国際線への進出に備え、洋上飛行も可能な長距離型である30/ER型が2機導入された。TDA/JASでは毎度のことであるが、MD-11のローンチが発表され、KC-10の生産でラインが維持されている状況下での発注であった(今回は最終生産機ではない)。
1988年3月に1号機が、同7月に2号機が納入されたが、経済情勢や成田空港の発着枠の問題などから運行体制の確立がままならず、納入された2号機を1年間大韓航空にリースするという憂き目に遭っている。
その後もホノルル線の早期撤退など、30/ER型を生かせる環境が整わず、1号機を1997年から傘下のハーレクィンエアに移管するなどしたが、2000年に2機とも退役している。
退役後は2機ともアメリカで運用されたが、現在は保管となっている。

そして、運行会社、機体の国籍ともにアメリカでわが国の航空会社とは言えないが、ミネベア航空が30CF型を1機導入している。同社は、日本のミネベア社がタイの生産拠点のと間で人員や資材の輸送を行うための航空会社で、同社のサイトでも「社有機」と記述されている。
機体はサベナ航空の中古機であったが、資材の現地調達の高まり、代替となる貨客混載の適当な中古機がないことなどから、2002年に運行を終了し、会社を清算している。機体は、アメリカ、ジンバブエと渡り歩いたが、現在は保管となっている。

ということで、「にほんのマクドネル・ダグラスDC-10, MD-11」を公開。

Douglas_dc10

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